ドイツ語能力0からドイツの大学の入学手続きまでの時系列とやったことを書き出しています。大学留学の計画を立てる際に、大まかな期限とやるべきことを把握してもらえればと思います。
スタート時点は…
- ドイツ語力ほぼ0(NHKラジオ講座を聞いてる程度)
- 英語力も大学まで習ったけど日常的に使ってないので苦労するレベル
- 入学から1年半ほど前
*この期間の苦労した話や悩んだことなど。関連記事>>>大学入学までに色々悩んだ話
目次
ドイツの大学の情報収集
まずDAAD
最初の情報を探すにあたり、DAADのホームページを読みました。
「連絡先」のところから留学相談が予約できるので、東京まで行ってみました。ホームページにも書いてありますが、行ったからと言って何か具体的なことを教えてもらえるわけではありませんでした。遠かったり時間がない人はわざわざ行く必要はないと思います。
どんな大学があるかのか調べる
DAADでは情報の集め方というか、インターネットサイトを教えてもらいました。DAADのホームページにも紹介されているホームページです。
それがこちら↓
学びたい学部が決まっているなら、ここからどの大学にその学部があるのか調べられます。まず大学名、学位、フルタイムかパートタイムか、場所、学部か大学院かが一覧で出てきます。「LEARN MORE」からこの学部で学べる分野、授業の言語(英語での学部あり)、願書の締め切り、NCの有無、担当者、ホームページのリンクなどを見れます。このあたりの情報はドイツ語混じってます。
各大学の情報・口コミ
また大学の情報については、日本でその分野をすでに勉強しているか、ドイツでその辺りの情報を気にして生活していなければ中々わかりません。DAADのサイトにもランキングのサイトなどが紹介されていますが、私はこのサイトもたまに見ていました。
学生による学部の口コミサイトです。書き込みは少な目ですが、ドイツ人が大学のどこを評価しているのかが見れて面白いです。また、口コミ以外ではどの学部ではどんなことが学べるか、なども説明があります。
必要な資格と締め切りをメモ
情報収集から覚えておきたい情報は、
- NC
- 学部の始まり 冬学期(Wintersemester)か夏学期(Sommersemester)か
- 願書締め切り
- 大学入学に必要なドイツ語力または英語力(記載がない場合は大学ホームページで調べる必要あり)
です。
NCは、ドイツ語のNumeus Claususの略(英語でadmission restriction)で、入学制限という意味です。ドイツでは医学・歯学・薬学・獣医学・心理学はドイツ全体で入学人数が制限されていて、成績などをもとに入学が許可されます。この国全体の入学制限の他にも、Local NCとかUni NCといって大学独自で入学制限が設定されている学部があります。この大学独自のNCも出願に使う高校の成績なり大学の成績が良いほうが有利になります。
冬学期か夏学期、どちらから始められるか、というのは学部によって違います。多くの学部は冬学期からになりますがどちらからでも始められる学部もあります。
願書の締め切りはNCがない学部は
夏学期入学1月15日、
冬学期入学7月15日
書類必着です。大学院でも同じです。
※NC学部やLocal NCやUni NCは締め切りが違います!冬学期入学で5月に願書締め切り、というところもあるのでドイツ語試験の取得、出願をする際に注意が必要です。
ドイツ語能力は、ドイツ語で開講されている学部ではB2またはC1、TestDaf TDN4、DSH-2のどれかが求められます。大学院では英語で開講されている学部があるので、その場合は英語力の資格だったりします。
補足:成績について
学部の場合はNCやUniNC、LocalNCのある学部以外は選抜がないので、ドイツの大学資格(※以下のホームページ参照)を満たしていれば入学許可が下ります。大学院ではNCなどが明記されていなくても成績や面接で選抜を行っているところが多いです。締め切りが通常より早いところは選抜を行っています。
こちらの
に大学入学条件が詳しく説明されています。
ドイツ語の勉強
- 願書締め切りより1年前くらい
日本で
入学1年ちょっと前にドイツ語を本格的に習い始めました。大阪のゲーテインスティテュートでした。ここで6週間(スーパーインテンシヴコース×2)でA1を勉強し、その後はそのままゲーテインスティテュートでドイツのゲーテインスティテュートで勉強する手続きをしてもらいました。
※日本のゲーテインスティテュートでは2月末からと8、9月に3週間ずつ、A1のスーパーインテンシヴコースがあります。月-金、1日3時間ずつのコースです。
ドイツで
- 願書締め切りより10カ月前~
ドイツでは、
- Schwäbisch HallのゲーテでA2-1、A2-2、B1(各4週間)、ゲーテB1を取得
- BonnのゲーテでB2-1、B2-2、B2-3、C1(各4週間)、ゲーテB2を取得
- Bonnの語学学校でTestDaF講座を受講(5週間)
と合計33週間ドイツ語を勉強しました。
- B1 → 願書締め切りより7カ月前
- B2 → 願書締め切りより3カ月前
(目安です)
ゲーテではちょうどいい時期にTestDaF対策講座がなかったので他の語学学校を探して通いました。TestDaF対策講座は試験にあった授業をしてくれるので、ものすごくためになりました。作文のポイントを教えてもらったり、口頭試験も本番と同じような問題で練習できました。
ドイツ語の試験
- 願書締め切りより1ヶ月ちょい前
ドイツ語能力は学籍登録の時点で提出できればいい(※あくまでNC以外の学部です。NC学部は経験がないのでご自身で情報にご注意ください!)のですが、願書提出までにある程度資格取得の見通しが立っていることが望ましいです。試験によっては人気で申し込めないことすらあるので、早めの資格取得をおすすめします。
DSHは試験が遅く、入学直前にあるので失敗したら怖いと思ったのと、TestDaFの方が簡単だと聞いたのでTestDaFを受験しました。TestDaFは試験開催日が決められていて、各会場で受験できる人数が限られているので、申し込みは早めにすることをお勧めします。私はドイツで受けようとして、どこの会場も空いていなくて日本で受験することにしました。日本では受験地は東京のみです。また、どこで必要になるか分らないので、ゲーテのC1も受験しておきました。
無事TestDaF TDN4、ゲーテC1に合格できました。
TestDaFは6月受験、ゲーテC1は入学願書には必要なかったので願書提出後に受験しました。
日本から大学出願、入学許可を受け取る
- 願書締め切り1カ月前程度が望ましい
書類を出す前にオンラインで事前に登録しなければいけない大学や、Uni-Assistというドイツ全体で一括に願書を受け付けるシステムを採用している大学もあります。結局この時まではっきりとどの大学を受けるのか決まっていなくて、以下の様に5校出願しました。
- Uni NCあり、有名大学1校
- Uni NCあり、その分野で有名な大学1校
- Uni NCあり、好きな都市の大学1校
- NCなしの大学2校
大学によっては志望動機を提出しないといけないところもあります。NCなしの大学は書類に不備がない限りは入学許可が下りるので、2校出願する意味はないんですが、書類が受理されるかが不安で2つ出願しました。大学によっては出願料がかかったりします。
Uni-Assistで1つ出願するとUni-Assistを採用している他の大学にも簡単に出願できます。出願数分お金がかかります。一回目に登録するのはややこしいですが、二回目以降は楽に出願できます。自分の成績をドイツの成績に換算すると(日本とドイツでは成績の数字が逆で、ドイツでは1が最高、4が落第です)どのくらいか分かったりもします。このとき、まだTestDaFの結果は届いていませんでしたが、ドイツ語能力の証明書を入学手続き時に提出する、という条件付きで入学許可がもらえます。
もしTestDaFが必要レベルに届かなければ、大学ごとのDSHを学期開始直前に受けることになります。これが受からなければ学籍登録ができません。大学によってはDSH受験のための短期DSHコースを入学許可が下りた学生に提供しているところもあります。大体有料です。
DSHは大学ごとに試験を作るので、大学によって難易度が違うと言われています。私は受けていないのでわかりませんが、TestDaF対策コースの先生は、「DSHは難しいからTestDaFに受かっといた方がいいわよ!がんばって!」と言っていました。
書類について:Beglaubigteな書類とは?
出身校の卒業証明書と成績証明書が必要です。英文で発行してもらえるのであれば、ドイツでもそのまま受け付けてもらえます。私は日本で大学を卒業していたので、高校と大学の卒業証明書と成績証明書を英文で発行してもらいました。
さらに、ドイツでは原本ではなくコピー認証(Beglaubigte Kopie)が必要です。出身校から日本語の証明書しか発行してもらえない場合は、さらに認証翻訳(Beglaubigte Übersetzung)が必要になってきます。
コピー認証は、私は日本にいたので一番近い総領事館に予約して書類を直接持っていき、また後日取りに行きました。認証翻訳は私は利用しませんでしたが、周りの日本人はドイツで公認の翻訳士のところに持っていっていました。
コピー認証・認証翻訳については、以下のドイツ総領事館のホームページにも説明されています。
学籍登録
入学手続きである学籍登録はImmatrikulation、又はEinschreibung(記入、登録)といいます。
合格通知の中に学籍登録の期日や場所、必要書類が書いてある紙が入っていると思うので、それに従って登録にいきます。書類さえそろっていれば大丈夫です。
学籍登録にはドイツで有効な医療保険に加入することが必要だと思います。多くの人がAOKやTKといった法定健康保険に加入しています。日本の海外旅行保険などは有効でないので注意が必要です。
また、この学籍登録した後発行されるImmatrikulationsbescheinigung(学籍証明書)を持って滞在許可を申請しに行きます。
滞在許可証申請までに住所(=家探し)、銀行口座開設、医療保険加入が必要です。携帯電話はあったら便利ですね。
こちらに、滞在許可証と携帯電話について書いた記事があるのでよろしければ参考にしてみてください。
関連記事はこちら>>> 滞在許可証申請 SIMカード購入について
入学手続きのドイツ語一覧
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コメント
[…] ドイツの大学留学までの手順~ドイツ語力0から入学手続きまで解説します~ の背景にあった苦労話をつづっています。 […]